直接看護師(器械出し看護師・手洗い看護師)ってどんな仕事?何を覚えるの?

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直接看護師って大変そう…

具体的にはどんなことをするのかしら?

手術室看護師<br>えい
手術室看護師
えい

ただ器械を渡すだけじゃないのです♪
直接看護師について、現役オペナース7年目の私が詳しく解説しましょう!

最近は手術室がテーマの医療ドラマもよくあるので

直接看護師(以後、器械出し看護師と表記します)とは

医師に器械を渡している人 と言うのは割と知られているかと思います。

とってもシンプルな作業ですが、実はこの仕事は奥が深いのです。

結構詳しく解説していますので
手術室を希望しようか迷っている
異動や転職をしようか迷っているという方にもぜひ読んでいただきたいと思います♪

器械出し看護師の仕事内容

器械を覚える

手術には器械が必ず必要です。
メスから始まり、筋鉤、電気メス、コッヘル、メイヨー剪刀…
これらはお腹の手術の際に、最初に渡していく器械です。

どのくらい知っていましたか?

総合病院の手術室の器械はざっと100種類以上はあると思います。
病棟経験が20年あったとしても
手術室の経験がなければ
ほぼ全てが今まで聞いたことも見たこともないものだと思います。

病棟でもせっし(鑷子)という、トングの様なピンセットの様な器械はあると思いますが
私の勤務している手術室には、せっし(鑷子)だけでも20種類はあります。

全て覚えます。
全て、覚えます。

あなた、7年も手術室に勤めているから覚えてるんでしょ?

と思うかもしれませんが
1年くらいでほぼ全ての器械を覚えていたと思います。

と言ってもいきなり数100種類の器械をさぁ全部覚えよう!
というわけではなく
まずはどんな手術でも必ず使う一般的な器械を覚えて
プラス、自分が担当させていただく手術で使用する特有の器械を覚えます。

特有な器械とは
例えば消化器の手術と整形外科の手術では
使用する器械が全然違うのですが
その科特有の器械があるということです。

1回の手術で準備する器械は
10種類くらいの手術もあれば300種類にのぼる手術もありました…。

でも300個全ての器械を使うわけではありません。
同じ器械のサイズ違いが何種類もあるなど
色んなケースを想定して、余裕を持って準備しているので
実際に使う器械は限られているのです。

そして300種類を準備する手術では
ポインターで教えてくれるスタッフがいたりもするので安心です。
流石に多すぎます。覚えられません。

とはいえ50種類くらいであれば全て覚えて手術に臨みます。
それを繰り返しているうちに100種類くらいの手術でも
全部分かるようになっていくと思います。

ちなみに、ただ器械の顔と名前を覚えるだけではなく
・どんなシーンで使うのか(1番大事)
・医師への渡し方(これもまた細かい…)
・電動器械の作動確認(電動⁈)や組み立て方(なんじゃそりゃ)など
覚えることは山のようにあります。

でも大丈夫です。
ほとんどの病院ではこれらのことが
分かりやすくマニュアル化されていると思います。

新人さんたちはそのマニュアルや、実際の器械を見て勉強するわけです。
覚えてしまえば凄くやりがいや楽しさを覚える仕事です。

効率の良いオススメの勉強方法は、別の記事に書いてみようと思います。

器械の準備

さて、器械を覚えたら手術に臨みますが
その器械たちは誰が準備するのでしょうか

そうです、器械出し看護師です。

私は、この準備する仕事が1番大切だと思っています。

病院にもよりますが、
手術に必要なものは各手術ごとにリストアップされていて
それを見ながら「○月○日の○○手術」と分かるように
前日までに準備しておきます。

看護師の仕事は診療の補助と療養上の世話です(今も国試に出てきますか?)

手術室は療養するところではないので
診療の補助、つまり手術室では手術の補助がメインの仕事です。

手術当日、無事に手術が始って
いざ使うはずの器械が1つでも準備されていなかったら…
その場で用意もできますが、それを待っている間
麻酔のかかったまま、患者様の手術は中断してしまいます。

不必要に麻酔時間が伸びてしまうと
患者様の負担も不必要に増えることになります。

スムーズに手術が進まないことで
医師にもストレスを与えたり
不穏な空気が漂ってしまいます(空気もとても大事なのです)

リストがあるなら、誰かに代わりに準備してもらえるね!
と思うかもしれませんが、私は自分が担当させていただく手術は
自分で準備するのが1番良いと思ってます。

どんな手術かはもちろん
患者様の年齢・体格・既往(持病)などを確認して
体格の大きい方だから、大きいサイズの器械もあった方がいいな
と個別性(看護師が大好きな言葉ですね)に合わせて
担当の自分が責任を持って準備します。

もっと言うと
この医師の手術ではこの器械をよく使うから、リストにないけど準備しておこう
などと、起点を利かせて準備しておくとかなりできるオペナースです。

こんな風に丁寧に細かく準備して手術に臨めれば
「あの器械って準備したっけ…」と不安にならず
自信を持って手術に臨めます。
それが緊張しすぎずに手術に臨めることにもつながります。

器械を渡す

手術当日、やっと器械を渡す時がきました。

当日はもっと細かく言うと
手術室に来られた患者様を部屋に案内したり
麻酔をかける際に麻酔科医の補助をしたり、と色々やることのある病院もあります。
患者様が入室している間に
器械を清潔な台に並べる作業をするところもあります。
こちらでは一旦器械を渡す所をお話しします。

器械を渡すのは
事前にマニュアルを読んで、渡す器械の順番を覚えておけば
あとは医師の指示通りに清潔に渡していくのみです。

指示があるなら
別にマニュアルを覚えなくてもても大丈夫♪
と言うわけでは残念ながらありません。
それが難しいところです。

どういうことかというと
医師に指示されてから、その器械を器械台から探し、そこから取って、医師に渡す
これでは遅すぎるのです。

医師が次に何の器械を指示するか、次に何が必要かを先読みし
指示が出たらすぐに渡せるよう、もう自分の手に持っておく
このくらいのスピード感が求められます。

そして医師が手術部位から目を離さなくて良いように
手の中に的確に渡していきます。

そのため事前にマニュアルを読んで、
基本的な手術の流れや渡す器械の順番を理解しておくことが必要なのです。

もちろん、マニュアル通りに進まないケースもあります。
急に出血してきたら、ガーゼをたくさん渡したり
止血に使う器械を渡したり
手術の流れに沿って、常に次に必要なものを考えます。

それに加え、僕にはこうやって渡してほしい
私はこの順番に変えて渡してほしい
こんな器械を追加で使いたい
などと医師にも個別性があります(1番大変なのはここかもしれない…)

同じ手術なのになんでみんな同じようにやらないの…と
何度も思いましたが
例えば風邪を引いて受診した時に
どこの医師に診てもらっても絶対に同じ検査をし、同じことを言われ、全く同じ薬を出される。
なんてことはありませんよね。なんかちょっと違いますよね。
患者様がその医師を選んで手術を受けに来られていることもあります。
大変ですがそこを理解して器械を渡すことが、患者様のためになるのです。

さいごに

頑張って覚えても

当日緊張で忘れてしまったらどうしたらいいの?

間接看護師<br>えい
間接看護師
えい

大丈夫!私がいるよ!


人間ですので、忘れてしまうことはあります。

手術では必ず、間接看護師(外回り看護師)という心強い相方が常に同じ部屋にいます。
初めから完璧に覚えられる人なんていません。
まだ不安のあるスタッフには、先輩が相方となって手術に入り
途中でサポートが必要な時はフォローしてくれるはずです。

あとはそんなにずっとピリピリした空気ではありません。
ちょっとしたことで怒鳴ったり
物を投げるような医師(いつの時代?)も多分いません。
緊張感はもちろん大切ですが、
1人じゃないことを忘れず、緊張しすぎずにできると良いと思います。

無事に手術が終わったら
器械出しとしての仕事も終わりです。

使用した器械を片付けたり
間接看護師と一緒に患者様が病棟に帰る準備をしたり
手術後の流れは病院によって様々です。

まとめ

ここまで大変お疲れ様でした。
読んでいただくだけでも疲れたと思います。

器械出し看護師の仕事をまとめると以下のようになります。

  • 器械を覚える(器械の顔と名前・医師への渡し方や取り扱い方も)
  • 事前に器械を準備する(患者様や医師の個別性も考慮する)
  • 手術の流れや渡す器械の順番を覚えておく
  • 先読みしてスムーズに、清潔に医師へ器械を渡す

器械出し看護師について
あまり知られることのない部分もあったのではないでしょうか。

準備や覚えることが大変な分
無事に終わった後の達成感はとても大きなものです。
そしてこの器械の知識や渡す技術、先読みする考え方は大きな財産になります。
病棟でも外来でも違う病院の手術室でも大いに活かせます。

器械の覚え方や、効率の良い手術の勉強方法は別の記事でご紹介したいと思います♪
興味のある方はぜひお待ちしています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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